2011年01月26日

【特許】発明の本質の捉え方が違うと…(「中空ゴルフクラブヘッド事件」から学ぶ)(1)

以前、特許出願の準備をする前に、



発明の本質の整理」をしたほうがよいことを記載しました。



http://yu-individual.seesaa.net/article/181532188.html




では発明の本質の整理を具体的にどうやるか?



ということを考える前に、



発明の本質の”捉え方”について問題になった「中空ゴルフクラブヘッド事件」について軽くふれたいと思います。



まず争点となったそれぞれの技術的特徴の概略を簡潔に言うと、



特許発明品では、



複数の『貫通穴』がある金属製外殻部材にプラスチック製の『縫合材』を交互に通して、



この縫合材と同質のプラスチック製外殻部材とが面して結合しています。



すなわち、同質の縫合材がプラスチック製外殻部材に一定の間隔毎に接するため、



金属製外殻部材との接合強度が高まるというものです。



一方、模倣品(イ号物件)では、



『透孔(≒貫通孔)』を介して『短小な帯片』がそれぞれの外殻部材の外側面に接するように階段状に折り曲げることで、



外殻部材同士を結合しています。



したがって模倣品における『短小な帯片』が、



特許発明品における『縫合材』に該当するか否か?(すなわち特許発明の技術的範囲に属するか否か?)、



該当しないならば均等論の5要件(特に本質的要件)を充足するか否か?を争いました。



結論としては、



『縫合材』は発明の本質ではなく



均等論の5要件を充足して均等侵害が認められました。



しかしもし知財高裁で『縫合材』が発明の本質部分として判断されたら、



非侵害の判決がでていることになります。



このように発明の本質をどう捉えるかによって、



判決のみならず審査においても変わってくると考えられるため、



発明の本質の整理は非常に重要な作業になります。


posted by うっちー at 23:49| Comment(0) | 知財:特許 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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