2011年03月21日

【特許】発明の捉え方について考える(1)

本ブログで以前、「中空ゴルフクラブヘッド事件」を題材にして、発明の本質の捉え方について考えたことがあります。


【特許】発明の本質の捉え方が違うと…(「中空ゴルフクラブヘッド事件」から学ぶ)(1)
http://yu-individual.seesaa.net/article/182617395.html


【特許】発明の本質の捉え方が違うと…(「中空ゴルフクラブヘッド事件」から学ぶ)(2)
http://yu-individual.seesaa.net/article/183691260.html


今月配布された月刊誌「パテント」で、「発明の捉え方」の特集が組まれていました。各先生方の座談会です。


パテント 2011.3 vol.64
http://www.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-lib/
※アーカイブにアップされるのは数か月先だと思います。


特に印象深いコメントをピックアップして、それぞれについて考えてみたいと思います。


------------------------------------------
(1)出願前の調査については、調査を専門としない者が明細書作成手順の中で企業を満足させることのできるレベルの調査を行うことは難しい。


これは、たしかにその通りかもしれません。企業によっては商用DBを駆使して調査業務を内製したり、調査会社に外注したりしているところもあります。


しかし調査をしたから特許が取れるというわけではありませんが、調査結果を踏まえて発明を捉えることは非常に大切であり、特許を取れる可能性がある程度高まるのではないかと考えています。


したがって弁理士が行う事前調査は、例えば検索結果のヒット件数の上限を設定したり要約書の内容のみで類似するか否かを判断したりする、というような”ルール”を作ることで、安価でかつ短時間に効率よく行うことができると思います。


この調査結果から進歩性を主張し得るクレーム作成ができるばかりでなく、クライアントも特許出願に対する方針や見通しを立て易く、社内的にも(上層部にも)稟議しやすいのではないかと思います。


------------------------------------------
(2)発明の把握の中には、技術の理解、技術思想としての理解、及び独占権としての理解などがある。


あらためて考えると確かにそうだな〜と納得しました。


まずは、発明者が創作した技術の理解ありき。どのような構造か?仕組みか?どんな部材や素材を使っているか?どのように動作するか?インプットしたら何がアウトプットされるか?等について、わからない場合はヒアリングしてしっかり理解することが大前提だと思います。


次に、技術思想としての理解、すなわち発明者の狙い、従来技術と違う点やすぐれている点、この発明から得られるメリット、この発明を基にした将来的事業構想等について把握することにより、クレームの範囲をやサブクレームの立て方の目安になると考えられます。


最後に、独占権としての理解。これは、クライアントが守りたいと願う領域と権利が取れそうな領域とのバランスを見極めることだと思います。つまりなんでもかんでも真似されないように広いクレームで権利化を図りたいと思う気持ちもわかりますが、進歩性や単一性をクリアできるクレームを構築する必要があります。


今までなんとなく職人芸的な仕事と思っていたことも、こうして詳細に分けて見直してみると、自分の思考の整理にもなって非常にいいです。



次回に続く・・・。
posted by うっちー at 21:03| Comment(0) | 知財:特許 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。